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Elephant SANTIE

かつて森には王がいました。
森の守護者にして、大地を司る王が。
名前は知りません。
名前など必要がなかったのです。
何故ならば王は王であるが故に王であり、大地に降り注ぐ太陽のように威厳に満ちていましたから。
王が食べようとすれば果物が実り、王が飲もうとすれば雨が降りました。
森の全てが王の全てであり、王の全ては森と共にありました。
ですから王がこの森を「そう呼ぼう」と決めた時、その時からこの広大な森は『ティアナワンガ(ー全てー)』となったのです。

森に住む彼らはみな同じ言葉を話しました。
木々も生き物たちも。
いやしかし、それは我々の知っている『言葉』とは違いました。
彼らは空気を通じて心を開け放ったのです。
眼に見えるもの見えないもの、そこにある全てが彼らの言葉でした。

時はこのティアナワンガにも新しい変化を運んできます。

煌々と光を放つ炎も、やがては朽ちていくもの。
この世に生れ出た瞬間から、同時に消える事へ向かっていくもの。
それが「生きる」ということなのですから。
この偉大な王とて例外ではありませんでした。
数々の偉大な仕事をした王がティアナワンガを去る日、彼はとても満足そうな顔をしていたのでした。

王はその最後に3つの願いをしました。
「ティアナワンガよ永遠なれ」
王の願いは聞き入れられました。
おそらくこの森(ティアナワンガ)は大きい方の宇宙が無くなる日までその力を誇るでしょう。
宇宙には大きい方と小さい方があります。
ひとつはあなたの中に、ひとつはあなたの外に。
本当ですよ。
まあ、それはまたの機会にお話しするとしましょう。

さて、南の空に遠くひときわ輝く星が昇る頃、王は2つめの願いをしました。
「記憶することと忘れること」
それまで森に住むものにとって時間というのは、ただ通り過ぎていました。
ですから、王はそんな仲間たちに時間を自分の中に留めることを願ったのです。
過去を思い出すことで未来を見つめることが出来る。
「ただ通り過ぎる」という呪縛にとらわれず、自由に未来を開拓していける。
森に住む者達は、王によって自由を与えられたのです。
しかし、時間の記憶は体に溜めすぎると疲れて身を滅ぼしてしまいます。
本当ですよ。
ですから王は「忘れること」も同時に願ったのです。

下弦の月。
その日、空には下弦の月が見たこともない鮮やかさで昇っていました。
3つめの願い。
王が最後に願うと、王の目の前に一頭の可愛らしい小さな象がいました。
王はこの象を自分の息子としました。
そしてSANTIE(勇気あるもの)と名付けました。
大地の一人息子です。
王はSANTIEに木々と会話する方法を教えました。
そしてこの広大な森を旅し、出会った者達に名前を付ける仕事を与えました。
こうしてSANTIEはティアナワンガの散策者となったのです。
王はティアナワンガの全てをSANTIEに託しました。
そして月を《弓》とし、王は《矢》となり、天空に集う数々の星座の元へ去って行ったのです。

王をなくし、SANTIEはきっと寂しかったに違いありません。
しかし、王の2つめの願いはSANTIEの悲しみにそっと蓋をしてくれました。
SANTIEはまだ王者ではありません。
王不在の森、ティアナワンガ。
森に住まう者達が認めた時、SANTIEはティアナワンガの王者になるのです。
やがてSANTIEが王者となる日もやってくるでしょう。
しかし、それはまた別の時間、別の場所でお話しするとしましょう。

ーおわりー




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ー謝辞ー
このブログはしばらくお休み致します。Chapter4を作る頃、また帰ってくると思います。
それまでArtmic8neoの雑記ブログ《NEW COAT OF PAINT》で記事をアップしていきます。どうぞ宜しくお願い致します。
また今後のコンセプトアートなどは『Rinto』の公式ホームページで発表していきます。
そして、応援して下さった方々、読んで下さった方々、本当に有り難うございました。
2008年、皆様にとって最高の年でありますように。

from : Artmic8neo the illustration show (2007.12.31)





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※【Rinto】トップページより『Elephant SANTIE用語辞典』『ショートシーン』も併せてご覧下さいませ。
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《A》bunner Rinto

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